年頭挨拶

2022年1月5日
室蘭工業大学長 空閑 良壽

第4期中期目標・計画期間を見据えた「確かな研究力をベースとした教育力」

教職員の皆さま、明けましておめでとうございます。

年末年始の8日間のお正月休みの間、リフレッシュされて、2022年を迎えられたことと思います。

本年はいよいよ第4期中期目標・中期計画が始まる年となりました。常々、本学は「確かな研究力をベースとした教育力」を売りとして、第4期に向けての課題の抽出と改革を進めているところであります。この観点から本学の昨年のTopicsを紹介しながら、今年、取り組むべき課題について述べたいと思います。

まず最初に新型コロナウィルス感染症防止対策に関しては、室蘭市、室蘭市医師会、北海道薬剤師会室蘭支部、札幌医科大学など関係機関の協力の下、昨年10月に2回目の大学拠点接種を終えたところです。3回目についても厚生労働省の方に、既に登録申請を行いました。(現時点では6月実施を想定しています。)オミクロン株の影響で、海外からの留学生諸君や研究者が来学できない状況が続いており、本学の教育・研究に関しても大きな影響がでていますが、教職員の皆様のご協力の下、対面とリモートのハイブリットスタイルでの教育・研究活動が続いています。

今後も一定の制限の下での教育と研究活動、大学運営をいかに活性化させて行くか、大学ニューノーマルの確立は、引き続き大きな課題となります。

そのような中、今年は学生諸君が集まる学修の中心、そして大学キャンパスの中心となる図書館の改修工事が本格化します。本学では、教育・研究面のデジタルトランスフォーメーション(DX)の象徴としての図書館機能の充実を目指します。(講義棟(N棟)と図書館の動線に屋根をつけることも計画しています。)

理工学部改組も4年目を迎え、来春にはいよいよ最初の卒業生を輩出するところまできています。その受け皿となる、大学院博士前期課程の改革・充実が2022年度の大きな宿題です。進学希望の学生諸君からも、出口の産業界・社会からも魅力ある修了生を育てる大学院とし、第4期中に進学率50%を是非達成させたいものです。常々申しておりますように、国立工業大学としては、大学院教育の充実は必須の課題であり、優秀な入学志願者の確保が重要です。そのためには学内からの進学者の増大のみならず、学外の学生諸君にも魅力ある大学院での教育と研究を行うことが大きな課題となります。

繰り返しになりますが、「学生諸君の後輩に本学への進学を勧めたい大学・大学院」になって欲しいということになります。さらに付け加えれば、「企業・社会が採用したくなる理工系人材」を育てることにあります。具体的には理工学部の延長線としての、本学の伝統と歴史に基づいた「専門(分野)」×「情報(分野)」が融合した分野の教育・研究の発展とその資質・能力を有する学生諸君を育てる大学院に発展させたいと考えます。

大学院博士後期課程に関しては、年末の大学院工学科研究委員会でも報告いたしましたように、2021年11月にJSTの次世代研究者挑戦的研究プログラムの採択を受け、優秀な博士後期課程学生諸君への経済的支援を強化し、研究・教育環境も含めた厚い支援体制を整えていくことが実現しました。大いに活用したいと考えます。

理工学部では、本学の全学必修の数理・データサイエンス教育をベースとして、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」の認定を得ました。第4期の中期目標・計画においては、これをさらに「応用基礎レベルのプログラム」へと発展させることを書き込み、その実現を目指します。皆様のご協力、どうぞよろしくお願いいたします。

大学ランキングに関しては、本学に有利に働く情報は積極的に発信しています。例えば、Times Higher Education (THE)の世界大学ランキングは4年連続のランキング入りを果たし、世界で1201+位となりました。日本からは118大学が、そのうち国立大学は57校がランクインしました(2021.9発表)。また、QSアジア大学ランキングにおいても、本学は初めて401〜450位にランクインしました(2021.11発表)。この2つの世界の代表的大学ランキングにランクインしているのは、道内では北海道大学と本学の2大学のみとなっています。(このへんも大いにアピールしたいところです。)

さらには、朝日新聞出版社の大学ランキング2022年度版では、コンピュータ科学分野における論文被引用度が2021版まで3年連続の全国1位に続き、今回は全国2位を獲得しています。このようなランキングは、主に本学教員の広い意味での研究力(アカデミックな学術論文の量と質や様々な機関・企業との共同研究に基づく外部資金の導入等、本学教員の研究・教育活動に基づく成果)やそれをベースとした教育力による成果に着目する観点から、大学の教育・研究活動を測る一つの「ものさし」と捉えています。

そのほか、卒業生の頑張りとしては、技術士と一級建築士合格者数はそれぞれ国立工業系大学では全国3位と5位と好成績となっており、本学志願者などをターゲットとした本学の大学ランキング2022年版ポスターにまとめてアピールしているところです。

東京事務所で本学入学志願者確保にご尽力いただいている樋口特任教授によると、このランキングポスターが、関東地域の高校の進路指導の先生方や高校生に最もインパクトがあり、本学の知名度アップに大いに貢献しているそうです。

先日本学の入学志願者の偏差値の推移を調べる機会があり、直近の10年程度の本学のトレンドを見てみますと(ベネッセの6月期の模試からのデータ)、もちろん年度によって多少のでこぼこはありますが、前期日程・後期日程志願者のそれのいずれも、おおむね少しづつではありますが、嬉しいことに右肩上がりの上昇傾向がありました。この偏差値の上昇傾向に留まらず、真に入学志願者となる学生諸君にとって、魅力ある大学に是非ともなりたいものです。

つづきまして、研究面や社会との共創に関しては、北海道MONOづくりビジョン2060でも謳っていますように、北海道地域のMONOづくり、価値づくりに貢献していくため、企業や自治体とのより幅広い連携を目指した包括連携体制の強化を進めているところです。

例えば、大樹町には一昨年より航空宇宙機システム研究センターのサテライトオフィスを稼働させ、地域への教育貢献、さらにはインターステラテクノロジズ社との共同研究体制も強化し、本学内にもインターステラテクノロジズ社のアライアンスラボを設置し、共同研究を加速させています。

また三笠市との包括連携に関しても、板倉特任教授を中心とした石炭地下ガス化研究テーマに加えて炭酸ガスの固定化・カーボンニュートラルへの発展を目指した共同研究も強化・進行中です。認知症予防に関連した青じそやアイヌ由来の植物関連の白糠町との連携、そしてもちろん、室蘭・伊達・登別市との様々な連携・協力も進めています。

北海道は少子高齢化や過疎化を始めとして様々な課題を抱えていますが、これは日本全体、さらには世界共通の課題につながるものであり、本学はその課題解決・社会との共創を目指す計画を4期の中期目標・計画にも大きく謳っています。

これらの要として、Creative Collaboration Center内のラボ群、そしてそれを支える教職協同体制の活性化と充実も課題です。また本学のweak pointともなっている科学研究費や公的補助金、民間との共同研究などによる外部資金の獲得も併せて、特定の教員群の活動からより幅広い教員層への拡がりを実現していくことが大きな課題であり、執行部としても側方支援体制の充実を始めとした策が必要と捉えています。

科学研究費の申請率はほぼ100%を達成しておりますが、継続分も含めた採択率は約47%と上昇傾向ではありますが、まだ過半数の50%にも到達していません。是非50%を超え、科学研究費の採択を得る方がマジョリティとなる状況がニューノーマルとなるよう皆様のご協力をお願いいたします。

冒頭に述べましたようにコロナ禍そしてポストコロナにおける本学のニューノーマルの確立が肝要です。2022年も教職員の皆様、そして執行部一丸となって、室蘭工業大学のさらなる発展に向けて頑張りましょう。

以上、私からの2022年の年頭のご挨拶とさせていただきます。