室工大ニュース

北海道・然別地域産の蛍光オパールが光るしくみの解明について

室蘭工業大学大学院工学研究科・飯森俊文 教授らの研究グループは、北海道・然別地域産の蛍光オパールが光るしくみの解明について研究成果を発表いたしました。

研究のポイント

・紫外線をあてると蛍光を発して光るオパールが然別(しかりべつ)地域で産出する。
・光るオパールは世界的にも珍しく貴重であるが、オパールが光るしくみはこれまで不明であった。
・オパールに有機溶媒を加えると蛍光の色が変化することを発見した。
・研究によりオパールの蛍光の起源は有機分子であることをつきとめた。
・本研究は然別火山群の歴史の解明につながることが期待される。

概要

紫外線を当てると発光する鉱物は世界各地で発見されていますが、発光の起源は主に金属イオンであることが知られています。然別地域産の蛍光オパールはこれまでに国内外の研究者らによって調べられてきましたが、発光のしくみと結晶構造は未解明でした。本研究では、オパールにアルコールなどの有機溶媒を加えると発光物質がオパールから溶媒に抽出され、発光色が変化することを発見しました。オパールと抽出物の蛍光スペクトル分析や蛍光寿命測定の結果、発光は金属イオンではなく、ほぼ間違いなく有機分子に由来することを明らかにしました。またオパールは非晶質(アモルファス)状態の固体であることも明らかになりました。有機分子の鉱物は世界的にも珍しく貴重であり、然別火山群の歴史の解明につながることが期待されます。

論文発表

本研究の成果をまとめた論文は、日本鉱物科学会が発行する英文誌であるJournal of Mineralogical and Petrological Sciences に掲載が受理されており、2024年8月8日(木)に電子ジャーナル早期公開サイトに公開されております。
雑誌名:Journal of Mineralogical and Petrological Sciences
論文タイトル:Fluorescence spectroscopy of opal from the Shikaribetsu area, Shikaoi, Hokkaido
DOI: 10.2465/jmps.231215

北海道・然別地域産の蛍光オパール

本件に関するお問い合わせ先

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