この度、空閑前学長の後を受けて、室蘭工業大学第15代学長に就任し、令和6年4月1日からの6年間、室蘭工業大学の舵取りの役目を担うこととなりました。
本学は、平成31年4月に大学設立以来初めて、それまでの工学部から理工学部へと改組し、その卒業生を一昨年度から世に輩出し始めたところです。地域に根ざす理工系単科大学として、「北海道の課題解決は、日本の、更には世界の課題の解決につながる」と考えて、研究力の向上及び社会との共創推進のために必要な、教育改革・大学改革に取り組んでまいります。
今年度は、第4期中期目標・計画期間6年間の3年目にあたります。大学はすでにこの2年間、令和7年度終了時に予定されている4年目終了時評価に向けて、中期計画に明記した工程表(年度計画)に基づいて実施予定の施策・ミッションを遂行してきており、その慣性を保持し、あるいはさらに加速させつつも、第5期中期目標・計画期間の開始時(令和10年度)までは、大学の現在の大まかな方向性は維持する予定です。
具体的には、
・「専門×情報」を柱とする学部教育の充実
・共創情報学コースの新設に象徴される大学院専門教育の実質化
・18歳人口が減少する中での、(女子学生や留学生も視野に入れつつ)優秀な入学生の確保
・外部資金獲得に繋がるような研究体制の再構築
・本学の機能向上に資するような大学連携の試み
・教職員の働き方改革への取り組み
などが、引き続き取り組むべき課題です。
本学の理念は「創造的な科学技術で夢をかたちに」ですが、ここ数年はそのもとで、「確かな研究力をベースとした教育力」をキャッチコピーとしてきました。今年度からはこれに加えて、「真なる探究心から未来の価値づくりを」を、新たに標榜しております。「価値」には、工学的にはハードウェアだけではなくてソフトウェアも含む「もの」が、理学的には原理探求による「知見」が、それぞれの成果物として該当するかもしれません。教育研究に携わる教職員の立場だけではなく、学生の立場からも将来への志として、このキャッチコピーが使われると良いなと思うとともに、本学は今後も、社会に対して未来の「価値づくり」をする場でありたいと、強く願っております。