本学大学院環境創生工学系専攻土木工学コースの渡辺修さんが、土木学会AI・データサイエンス論文集4巻(2023)において、「AI・データサイエンス論文賞」を受賞しました。 本賞は、革新性・将来性・社会性に優れた論文として、2023年は計7号にわたる総数156件の論文のうち7件が選出され、そのうちの1件となります。
受賞者及び受賞研究題目は、以下のとおりです。
渡辺 修(水防災・水環境工学研究室 )「アンサンブル予測雨量を機械学習法に導入したダム流入量予測の研究」
AI・データサイエンス論文賞、2023年12月15日(共同研究者:中津川 誠、小林 洋介、若狭谷 昇真)
本研究の目的は、アンサンブル予測雨量を用いることで、予測の不確実性を反映できるダム流入量の予測手法を提案することです。 近年、全国的に頻発している大洪水に対して、効果的なダム操作に活かされる流入量予測の精度向上が求められています。 本研究では近年出水に見舞われている北海道のダムを対象に、スパースモデリング手法の一つであるElastic Netを使用し、流入量予測をおこないました。 その際にモデルの入力変数に、アンサンブル予測雨量であるMEPS(Meso-scale Ensemble Prediction System)を導入しました。 さらに、貯留関数法による予測結果との比較を行い、精度評価をおこないました。 結果的に、Elastic NetにMEPS を導入することで治水上安全側の結果を与える予測が可能であることを示しました。
<受賞コメント>
論文作成には大変苦労し、査読でも厳しい意見があったので、予想もしていませんでしたが、成果に社会的意義が認められたものとして大変うれしく思っています。 これを励みに近年激甚化する水害の防災・減災に少しでも役立てられるように研究に取り組む所存です。 あわせてこれまで育てていただいた両親、指導助言いただいた先生方や諸先輩に心より感謝いたします。