室工大ニュース

生成系AIの利用に関する留意事項について

室蘭工業大学では、生成系AIの利用に関する留意事項について、情報漏洩防止、個人情報保護、著作権侵害の防止、人権侵害の防止の観点から以下のとおり整理し、学内に周知しております。

生成系AIの利用に関する留意事項
- 情報漏洩防止、個人情報保護、著作権侵害の防止、人権侵害の防止の観点から -

 近年、人工知能(AI)により文書や画像等を生成できる生成系AIが広く普及しつつあります。そのような生成系AIとして、例えば文章や数式、プログラムコード等を生成する「ChatGPT」や画像を生成する「Stable Diffusion」などがあります。
 生成系AIを活用することにより、様々な分野での効率化を図ることができる可能性がありますが、一方で今後の社会への悪影響も懸念されているところです。生成系AIの利用者が入力した情報は膨大なものとなりますが、この情報は収集され、以後のAIの出力に反映されていきます。AIの性質上、利用者が入力した情報を学習して他の利用者の出力結果に利用する可能性は否定できません。
 ただ、リスクはあるものの、生成系AIは活用できれば有用なツールであり、即座に禁止すべきものであるとまでは考えていません。社会情勢からみても、各所で生成系AIを使用する機会は今後増えていくと思われます。本学においても、生成系AIの性質を理解し、リスクについて把握した上で利活用していくべきと考えます。

 本学での生成系AIの利用にあたっては、情報漏洩防止、個人情報保護、著作権侵害の防止、人権侵害の防止の観点から以下に留意してください。

  1. 生成系AIに個人情報や未公開情報など秘匿すべき内容を入力しないこと
     個人情報や未公開情報などを入力すると、それが意図せず流出してしまう恐れや他者に引き出される恐れがあります。本学情報格付け取扱手順における情報の格付けが重要度3以上となる情報(特定の関係者以外に対して機密を保持すべき情報)及びその他業務上の機密情報等は、生成系AIへ入力しないでください(生成系AIでの処理を目的として、生成系AIにファイルやURLを読み込むことも、キー入力の場合と同様に「入力」になります)。特に、個人情報の入力は絶対に行わないでください。
  2. 生成系 AI からの出力を十分に検証すること
    • 生成系 AI の出力には誤った情報が含まれることがあります(AIが学習していない質問に対して「もっともらしい誤った出力」を返すことが広く知られています)。利用の前に、内容が正しいかどうか、十分に検証してください。
    • 生成系AIの出力に個人情報と思われるものが含まれる場合、内容の正否にかかわらず、その情報は閲覧のみにとどめて他には利用しないでください。(そのような出力の利用は、個人情報保護法に抵触する可能性があります。)
    • 生成系AIの出力には著作権のある文章や画像などが含まれ、著作権侵害や剽窃とみなされる可能性があります。出典の確認など他者の権利を侵害しないよう注意してください。場合によっては生成系AIの出力を利用しないことを検討してください。
    • 生成系AIの出力には誹謗中傷、差別的表現、暴力的表現などが含まれることがあります。倫理観を持って生成系AIの出力を吟味し、利用の適否を判断してください。

 生成系AIの今後の動向については引き続き注視し、必要に応じて検討を行っていく予定です。

令和5年7月13日 情報化統括責任者