室蘭工業大学が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)の代表機関として、新しい食産業と食文化を発信するプロジェクトのキックオフイベントを開催しました。
「アシル」とはアイヌ語で「新しい」という意味です。「トイタ」は「土地を耕す」ことを意味します。私たちはアイヌの知恵に学び、白糠町の大地、文化、自然、そしてヒトのつながりを新しく耕すことで、人々が集い住みたくなる豊かな町にします。
本拠点では、白糠町特有の気候風土で生産が可能な地域独自の体に響く『食物』を開発し、合わせて栄養や機能情報と文化や伝承などの在来知情報を融合した心に響く『食物語』を消費者と共有するしくみを共創します。これにより、作りっぱなしの一次産業から脱却し、農業が子供達に継がせたくなる魅力的で誇れる職業へと変容します。『食物語』をキーワードに人々がつながる社会が形成され、「人々が集いたくなる、住みたくなる、豊かな食のまち」へと変貌することが期待されます。
イベントには約70名が出席。空閑学長は「確かな研究力を活かして、北海道そして白糠町の基幹産業である食産業に、大学や参画企業が持つサイエンスやテクノロジー、そしてこの自然豊かな地に生きてこられたアイヌの先人たちの知恵を結集し、10年、20年先を見据えた食のイノベーションを巻き起こしていきたい」と話し、プロジェクトリーダーの徳樂清孝教授は「付加価値の高い作物を栽培することで、1次産業を担う若者を増やしたい」と意気込みを述べました。
最後に、白糠町長をはじめとした幹事機関の方や白糠高校の生徒らが、プロジェクトのシンボルとなる旗に署名し、成功を願いました。