環境創生工学系専攻

「環境」を中心としてそれを取り巻く工学の諸分野を扱い、環境と調和した持続可能な社会を創生していくための幅広い内容に取り組みます。

専攻の教育目的

自然環境や社会環境の変化を踏まえて環境と調和した持続可能な社会を構築していくために、化学反応や生物機能を高度に利用した有用物質の合成、地球環境の保全及び循環型社会の形成に関する研究・開発、建築物や地下空間を含む社会基盤の構築・整備・保全や防災に係る研究・開発、人々が快適で安心して暮らすことのできる都市や居住空間の創出に向けた計画・設計・施工に関する研究・開発、幅広い知識を有し、環境や防災に関わる公共的な政策・方策の立案を遂行できる創造性豊かな人材を養成します。 

専攻の概要

環境創生工学系専攻は、「環境」を中心としてそれを取り巻く諸分野から成り、自然環境や社会環境の変化を踏まえて環境と調和した持続可能な社会を構築していくための幅広い内容を扱います。「化学系」と「建設系」それぞれの視点からの「環境」を共有してそれらの融合を図りつつ、物質化学、化学生物工学、環境建築学、土木工学、公共システム工学の各コース分野内容を深く学ぶプログラムを設定しています。すなわち、最初に専攻全体のバックグラウンドとして、主専修共通科目等において環境問題全体についての認識やそれぞれの分野に関連する現状について学んだ後、各分野における環境問題への取り組みを入り口として用意された各コースの特論科目により、物質化学や生物工学及び建築学と土木工学に加えて人間・社会科学の専門知識と研究手法を学ぶ教育プログラムとしています。

これにより、持続可能な社会を構築していくための諸問題を根本的なレベルで解明することができる能力を有し、環境に関する多様な問題の解決に応用できる創造性豊かな高度専門職業人を養成します。 

各コースの概要

物質化学コース

化学及び化学工学に関する専門的な知識と技術を修得し、時代の要請に応えて、環境と調和した有用化学物質合成の理論と反応及び化学プロセスの高効率化、地球環境の保全と循環型社会の形成に寄与する資源・エネルギー変換技術に関する研究・開発を遂行できる創造性豊かな人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、化学及び化学工学に関する知識を基礎から系統的に修得します。基幹科目群に属する環境化学特論、環境工学特論、物質化学特論、化学工学特論で基礎的知識の理解を深めると同時に、領域科目群に属するそれらの応用科目を履修することで、化学・化学工学及び環境工学分野における課題解決能力を養います。

化学生物工学コース

化学及び生物工学に関する専門的な知識と技術を修得し、新しい環境調和型有機反応を用いる生物活性物質の創製、自然と共生できる効率的な生物利用技術の創出、及び資源循環に基づく新たなバイオエネルギーシステムの構築と資源再生技術の創生に関する研究・開発を遂行できる時代の要請に応えた創造性豊かな人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、化学及び生物工学に関する知識を基礎から系統的に修得します。基幹科目群に属する環境有機化学特論、環境生物工学特論、環境生化学特論で基礎的知識の理解を深めると同時に、領域科目群に属するそれらの応用科目を履修することで、化学・生物工学及び環境生物工学分野における課題解決能力を養います。

環境建築学コース

少子高齢化に対応し持続可能な社会を構築するために、人と環境に優しい建築・都市空間の計画やデザイン、ならびに省エネルギーや長寿命化に配慮した安全な建築物を実現するための構造設計、建築設備や建築施工等に関わる高度な専門知識を有し、高い倫理観を身につけた建築学分野における技術者として、時代の要請に即応出来る人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、建築・都市空間の計画やデザイン、安全な建築物を設計するための構造設計、建築設備や建築施工等に関する知識を基礎から系統的に修得します。基幹科目群に属する材料、構造、設計、環境の4分野から2分野を選択して基礎的な内容の理解を深めると同時に、領域科目群に属するそれらの応用科目を履修することで、環境建築学分野における課題解決能力を養います。

土木工学コース

国土や地域・都市空間を中心として心の豊かさを享受できる環境づくりに貢献するための社会基盤施設のデザイン、ならびに安全・安心で快適なくらしを実現するための都市計画や防災システム等に関わる高度な専門知識を有し、高い倫理観を身に付けた土木技術者として、時代の要請に即応出来る人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、土木工学に関する知識を基礎から系統的に修得します。基幹科目群に属する構造力学、水理学、土質力学、土木計画学に関連する科目から2科目以上を履修して基礎的知識の理解を深めます。さらに領域科目群に属する応用科目を履修することで、環境及び防災分野における課題解決能力を養います。

安全・安心な社会の自立的・持続的発展に寄与・貢献するため、工学と人間・社会科学の両面にわたって、環境保全や再生に関わる知識や制御技術、あるいは自然災害の抑制・制御や災害時の安全性確保に関する専門知識を有し、さらにそれらを実践するための公共的な政策・方策を立案し得る素養を持った人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、公共政策及び環境・防災分野の基礎となる基幹科目を選択し、基礎的な科目の理解を深めます。さらに領域科目群に属するそれらの応用科目を履修し、長期インターンシップに参加することで、公共政策及び環境・防災分野における課題解決能力を養います。

安全・安心な社会の自立的・持続的発展に寄与・貢献するため、工学と人間・社会科学の両面にわたって、環境保全や再生に関わる知識や制御技術、あるいは自然災害の抑制・制御や災害時の安全性確保に関する専門知識を有し、さらにそれらを実践するための公共的な政策・方策を立案し得る素養を持った人材を養成します。

参考リンク