生産システム工学系専攻

「ものづくり〈=生産〉」に必要なマテリアル、機械、物理工学等の基盤技術から航空宇宙機や次世代ロボット等の高度なシステム技術までの幅広い内容に取り組みます。

専攻の教育目的

システム技術集約の成果である航空宇宙機や次世代ロボット、これらを支える機械工学分野及び先進材料の創製・開発に求められる材料工学・物理工学分野における基盤研究の推進、融合により、従来の枠組みを超えたシステム創出や要素技術開発に発展させることによって、環境問題やエネルギー対策など、複雑化する課題の解決に貢献できる創造性豊かな人材を養成します。

専攻の概要

生産システム工学系専攻では、「ものづくり」「生産システム」を共通の基盤とし、その上に、航空宇宙機や次世代ロボットに代表される各分野の高度なシステム技術やマテリアル・機械・物理工学等の工学技術を基礎から応用まで深く学ぶこととしています。すなわち、まず専攻全体で、主専修共通科目の概論等、ものづくりに係る最も普遍的・基礎的な技術を学んだ後、各コースの特論科目により、機械工学やロボティクス、航空宇宙システム工学、先進マテリアル工学、応用物理学の専門知識と研究手法を深く学ぶ教育プログラムになっています。

これにより、従来の枠組みを超えたシステム創出や要素技術開発の発展に寄与できる能力を有し、環境問題やエネルギー対策など、複雑化する課題を解決できる高度専門職業人を養成します。

各コースの概要

機械工学コース

機械工学ならびに機械システムに関連する広範な分野で求められる基礎的な学力と多彩な知識、総合的な技術力と柔軟な応用力を兼ね備え、環境・エネルギー技術、加工・製造技術、要素・システム技術に関する高度専門知識を駆使して、新たなものづくり産業領域を切り拓くことのできる人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、機械工学に関する基礎知識を系統的に修得します。基幹科目群に属する熱力学特論、流体力学特論、材料力学特論、機械力学特論などの基礎的な科目の理解を深めると同時に、領域科目群に属するそれらの応用科目を履修することで、機械システム工学及び生産工学分野における課題解決能力を養います。

ロボティクスコース

多種多様な製造業をはじめ、多岐にわたる産業分野のみならず、家庭、医療、介護、災害の現場で活躍するロボットを具現化するロボティクスは、関連する学問領域の裾野が広い工学分野であり、先進的な擦り合わせ型技術である。多機能かつ高性能なロボットの技術開発のために、制御技術、メカトロニクス、センシング技術、工学設計、要素技術などの基礎知識とシステム統合化などの応用力を身に付け、次世代の基幹産業の一端を支えるロボットや近未来の社会生活に寄与する知的機械システムを創造できる人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、制御・機械知能、計測・情報数理、設計・生産科学等に関する基礎知識を系統的に修得します。基幹科目群に属する、ロボティクス、制御、計測、設計に関する基礎的な科目の理解を深めると同時に、領域科目群に属するそれらの応用科目を履修することで、ロボティクス及び生産工学分野における課題解決能力を養います。

航空宇宙総合工学コース

グリーンイノベ-ションの推進をめざす国の技術戦略に応えかつ基幹技術分野である航空宇宙システム工学は、地上にはない厳しい環境条件において、空気力学、推進工学、構造・材料工学、誘導・制御等の多様で広範な最先端技術を統合した高度かつ総合的なシステムを実現する分野です。具体的な航空宇宙システムの成立を念頭に、システムと要素技術の相互関係を総合的に理解するとともに、各要素技術の基礎知識の修得を通して、これらを統合した先進システムを構築できる素養を身に付けます。さらに、グローバルな即戦力となる高度専門技術者・研究者育成のために、JAXA、民間企業等の外部機関と連携し、北海道の地の利も生かし、航空宇宙機システム研究センター等学内外の多様な研究施設を活用したコースワークによる先端研究教育を通して広範なキャリアパスを開くとともに実践的な人材を養成します。

なお、コースカリキュラムにおいては、上記4分野に関する知識を基礎からシステムまで系統的に修得します。基幹科目群に属する計測工学などの基礎的な科目の理解を深めると同時に、領域科目群に属するそれらの応用科目を履修することで、航空宇宙システム工学及び生産工学分野における課題解決能力とシステムを俯瞰する能力を養います。

先進マテリアル工学コース

人類の活動は資源とエネルギーの消費に支えられており、社会の発展に伴う資源枯渇や地球規模での環境問題は喫緊の課題です。本コースでは、マテリアルの設計・創製・評価に関する高度専門知識を修得し、これらを有機的に組み合わせて先進的なマテリアルの開発を行って、マテリアル工学の視点から持続可能なシステムの構築及びエネルギー問題や環境問題の解決などに貢献できる人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、マテリアル設計、マテリアル創製、マテリアル評価に関する基礎知識を系統的に修得します。基幹科目群に属する計算マテリアル科学、マテリアル物理化学特論、マテリアル科学特論などの基礎的な科目の理解を深めると同時に、領域科目群に属するそれらの応用科目を履修することで、マテリアル工学及び生産工学分野における課題解決能力を養います。

応用物理学コース

磁性体、誘電体、超伝導体、光学材料や生体材料などの次世代の先端材料に対する物理工学及び物性工学の重要性と応用可能性を理解し、それらの専門知識を基礎から応用まで系統的に修得します。高度な課題の分析・解決能力と高い問題意識を持って自ら継続的に研究・開発する能力を身に付けます。真理を探求する精神や技術を培う意欲を備え、環境問題やエネルギー問題などで複雑化・高度化する社会の要請に応え、持続可能な社会の構築に貢献できる人材を養成します。

そのため、コースカリキュラムにおいては、物理工学及び物性工学に関する基礎知識を系統的に修得します。基幹科目群に属する物理数学、物性学、物性論などの基礎的な科目の理解を深めると同時に、領域科目群に属するそれらの応用科目を履修することで、応用物理学及び生産工学分野における課題解決能力を養います。

参考リンク

更新年月日:2014年4月1日
作成担当部局:総務グループ総務ユニット