室工大ニュース

航空宇宙機システム研究センターにおいて、逆転工事後初のロケットスレッド走行を実施しました

航空宇宙機システム研究センターでは、ロケットスレッドを用いた試験運用時の近隣への騒音の影響を低減するため、従来「東から西」へ向かって走行していた軌道レイアウトを、「西から東」に向かって走行するよう変更しました。スタート点における推薬供給設備の移設や減速用水路の配置換え、運用性向上のための改修も含めた工事は2021年度末から2022年度前半にかけて実施され、その後新形態での走行に向けて準備を進めてきましたが、2023年6月30日に、逆転レイアウトでは初の走行となるRun55走行試験を実施しました。

この試験は学内研究の一環である航空宇宙機用タンク内の推薬スロッシング防止(液面の揺れを抑えるためのデバイスを装着)性能確認試験として行われたもので、全重量約550kgの走行台車が4本のハイブリッドロケットエンジンにより成功裡に走行、減速、停止しました。運用に携わる学生メンバーも一新され、初めてロケットスレッド運用を経験したばかりの面々ですが、今後、同種の試験を7月~9月にかけて複数回実施し、運用スキルを磨いてゆく所存です。(7/14にも同形態でRun56を実施済)

逆転走行レイアウトではこれまでよりも大規模な試験を円滑に実施可能であり、衝突実験やパラシュート開傘試験など、多彩な共同研究を展開してゆく所存です。

逆転レイアウト初となるロケットスレッド走行写真(Run55:2023/6/30実施)
試験走行準備中の学生の様子
保安集合写真
Run55では本学今井研究室のスロッシング防止デバイスを備えた透明タンクにステップ状加速度を与え、流体挙動を観察した。
新スタート点倉庫(300m軌道西端)と運用性を高めた減速用水路堰