本日、晴れて学士課程の卒業要件を充足し学士(工学そして理工学)となられた7名の学生諸君、卒業おめでとうございます。また、大学院博士前期課程を修了された13名の皆様、そして博士後期課程を修了され最高学位となる博士(工学)の学位を取得された6名の皆様、学業の達成と学位の取得に対して敬意とお祝いを申し上げます。また、皆様の卒業や修了を一日千秋の思いで待っておられたご家族、友人、ならびに指導教員の方々にも心からの祝福と敬意を表します。
さてみなさんは卒業、修了とともに、社会のさまざまな分野に進まれます。その社会ですが、地球規模の共通なエネルギー問題、温暖化に代表される気候変動問題や、グローバル経済、ポストコロナそしてウクライナ侵攻で顕在化した国内外のさまざまな課題に直面しております。今後も、新たな世界的危機に直面した状況でのNEW NORMAL状態を模索すべく、まさに、早急に解決が望まれている課題が現在進行中で継続・山積しております。
これに加えて、我が国そして北海道では、少子高齢化と生産年齢人口の減少、環境・エネルギー・過疎化問題など、世界の中でも重要な課題が先を切って問題となっており、いわば課題先進国ともいえます。これらを解決して行くのは、理工学の基礎そして応用を深く学び、幅広い問題に関心を持つことができる皆さんに他なりません。皆さんには、大学で学んだ専門知識、身につけた教養、そして、つかみ取った課題解決力で、さらにはドクター修了の皆さんは、とりわけ高い研究能力をもってこれらの課題に取り組み、社会に活力と、新たな価値を創造されることを期待しております。
本学の理念は「創造的な科学技術で夢をかたちに」ですが、今年度からはこの理念のもとに、「真なる探究心から未来の価値づくりを」を、新たなキャッチコピーとして標榜してきました。今まさに、世の中へ船出する皆さんには、是非、社会の色々な分野にて「価値づくり」を実践して頂きたいと思っております。また、本学は今後もずっと、社会に対して未来の「価値づくり」を育む場でありたいと強く願っております。
さて今後は、問題が一つの専門分野に限られていることよりも、むしろ隣接分野あるいは異分野からの協力や連携が必要とされることが多くなります。皆さんの得意とする専門分野についての自信と能力をベースとして、他分野との協働・融合がより問題解決に導くことを心に留め、なによりも周りの人たちとのコミュニケーション、協働作業にも充分に心がけてください。みなさんの周りでは、延べ40000人を超える本学の卒業生、同窓生がすでに活躍し、室蘭工業大学の評価を高めてくれています。皆さんも、是非そのお一人として、頑張ってください。
これから社会に巣立っていく皆さんにおいては、本学で身につけた能力を十二分に活かし、様々な困難を乗り越えていくことを確信していますが、色々な場面で行き詰まった時は是非今一度大学を頼ってみてください。これまでの信頼関係に基づく相談の場というだけでなく、連携の場としての役割に加えて学び直しの場としても、室蘭工業大学は進化を続けていきます。
最後になりますが、皆さんが、室蘭工業大学における多くの良き出会いを財産として、この変化に富んだ時代の中で、生活を楽しみ、多くの事を感じ、考え、学び続け、活躍されますことを祈念し、皆さんの栄えある門出を心から祝福申し上げ、私からの挨拶といたします。
本日は卒業・修了、そして学位取得おめでとうございます。
令和6年9月24日
室蘭工業大学長 松田 瑞史