自然を科学して新しい現象を見つけたい!分子のチカラで生活に安全安心を届けたい!
自然現象を解明する、特に地域における身近な資源・資産を化学生物システムとして捉え、その本質を探求するための科学の一分野である化学および生物学と、本質に関するデータを抽出し活用するための手段を与える情報学(情報の科学と工学)を融合させた教育研究を行います。
1年次から2年次前期までの期間に一般教養科目、学部および学科共通(自然科学系)科目および情報系科目の一部を履修し、コミュニケーション能力と社会的教養を身につけるとともに、自然科学(数学、物理学、化学、生物学)に関する幅広い知識と情報科学に関する基本的な知識を修得します。2年次後期以降は本コースにおいて、物質や生命に関わる現象をそれらの構造や性質との関連において分子レベルで解析する学問である化学および生物学を物理化学系、無機・分析化学系、有機化学系、生物化学・生物系、化学生物応用系に分けて、それぞれの分野の科目を体系的に履修します。併せて、情報系科目で修得した知識を専門科目において活用し、実践的な情報手段への展開について学修します。
1年次
一般教養科目として人と社会に関する科目、外国語科目、地域連携科目、自然科学系の共通科目として数学、物理学、化学、生物学、情報系科目として情報セキュリティ、データサイエンス、プログラミングそれぞれの基礎を主に学びます。
2年次
「物質変換論」「生物物質化学」「振動・波動論」「物質科学」などの科目を通して自然科学に関する内容を分野横断的に学び、また「現代情報学概論」「確率論」「統計的データ分析」「情報システム概論」などの科目を通して情報科学に関する内容を展開します。後期からそれぞれのコースでの専門科目の履修が始まります。
3年次
2年次後期からの引き続きでコース専門科目を中心に学びます。「物理化学」「無機化学」「分析化学」「有機化学」「生化学」「微生物科学」などの科目を履修し、当該分野に関わる専門知識を広く修得するとともに、それらを統合して活用するために、コンピュータなどを援用した実験や演習を行います。
4年次
4年次の主たる学習は、卒業研究を通して実践的な形で行います。それぞれの分野での問題について設定される課題に対して、これまでに修得した知識を活用して達成に取り組むことで、知識をより本質的なものにするとともに問題解決能力を養います。
遺伝子の本体であるDNAの構造と機能は分子生物学の基本です。この講義ではDNAからゲノムまで、構造から機能、制御まで、原核生物から真核生物まで、遺伝情報の流れに基づいた分子生物学の理解を目指します。分子生物学では生命現象、なかでも遺伝現象を細胞以下の分子レベルで説明し理解します。DNA、RNAそしてタンパク質がどのような分子構造を持っているのかに始まり、それらの関係性が形のない遺伝情報が生命を生み出す仕組みを学びます。それは単純にAとBが結合するものではなく、結合のタイミング、強さ、量などがみごとに制御されています。授業は分子どうしが協力し合うように学生もそれぞれの能力を生かしながら進めていきます。
私達の体の中では正常な蛋白質がお互いに協調することで生命活動が営まれていますが、これらの蛋白質が変性し異常な集合体を形成することで病気の原因となる場合があります。例えば、アルツハイマー型認知症の発症にはアミロイドβやタウ、レビ-小体型認知症の発症にはαシヌクレインと呼ばれる蛋白質の異常集合が関与しているといわれています。私達はこれらの蛋白質をナノメートルサイズの蛍光物質を用いて可視化し、異常集合を抑制する物質を微量かつ効率的に探索する評価システムの開発に成功しました。現在この手法を用い、アイヌ伝承有用植物や海藻類などの北海道産天然資源から、認知症の予防や治療に有用な物質の探索に取り組んでいます。
研究分野
蛋白質化学
主な研究テーマ
北海道産天然物質からの抗認知症物質の探索