桂田英典名誉教授（北海道大学大学院理学院研究員）が日本数学会2024年JMSJ論文賞を受賞しました。JMSJ論文賞は、授賞年前年のJournal of the Mathematical Society of Japanに掲載された論文のうち、特に優れたもの（3篇以内）の著者に贈られます。

【研究概要】
本論文の主題であるHarder予想は1変数正規Hecke固有形式のFourier係数がある次数2のHecke固有形式のHecke固有値とある素イデアルを法として関係することを主張するものです。この予想を解くために、多くの数学者による様々な試みはあったものの、本論文執筆時にはこの予想が証明されている例はG. Chenevier-J. Lannesによるものしかありませんでした。本論文では上に述べたG. Chenevier-J. Lannes の結果を含むいくつかの結果が証明されています。続編の「Harder conjecture II」では本論文を基礎としてさらに系統的に取り扱うことができて、これによりHarder予想の４分の１が解決されたことになります。他の場合も同様の構想で解決できるか興味があり、現在検討中のところです。

【受賞者コメント】
この度のJMSJ論文賞の受賞はまことに名誉なことで、大変驚くとともに非常に嬉しく思っております。本研究は、私が定年後に始めた仕事で、退職後も快適な研究環境を提供して下さった数理科学ユニットをはじめとする室蘭工業大学の関係者の皆様にお礼を申し上げます。

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