2024年5月26日にマレーシアで開催された国際学会 “4th International Conference on Applied Science, Engineering, Advanced Technology, and Social Science”でKhairunnisa binti Mohd Paad(カイルンニサ・ビンティ・ムハマドパアド)博士研究員(マレーシア工科大学(Universiti Teknologi Malaysia)上級講師、2026年4月より室蘭工業大学に派遣中)が最優秀論文と最優秀発表賞を受賞しました。
受賞論文の題目は“Enhancement of Surface Area of Modified-candle Soot with Ethanol Treatment for Carbon Dioxide Adsorption”(二酸化炭素吸着のためエタノール処理によるロウソクに由来する「すす」表面改質)です。
【研究の概要】
温室効果ガスとして知られる二酸化炭素(以下、CO2)吸着のためには大気中のCO2を取り除くプロセスや技術が必要になります。近年、炭素ベースの吸着剤がCO2吸着に使用されており、CO2の吸着を高めるには、エタノールによる表面処理をする必要がありました。しかし、すすのエタノール表面処理前後のCO2吸着メカニズムは研究が不足している分野でした。そこで本研究では、エタノール処理がロウソクのすす表面と吸着性能に及ぼす影響を調査しました。具体的には、すす微粒子の表面をエタノールを用いて処理し、二酸化炭素吸着に活用しました。吸着等温式に基づくと、エタノール処理後の粒子は、未処理のすすと比較して、CO2吸着部位の数が多く表面が不均一であることを示唆していました。
【受賞コメント】
大変名誉ある賞をいただき光栄です。本賞は、学内の皆様や山中真也教授、山中研究室の皆様、マレーシア工科大学(Universiti Teknologi Malaysia)の皆様、 共同研究者の皆様,家族からのご協力があっていただくことができました。この場をお借りして皆さまに感謝を申し上げたいと思います。これを機会に室蘭工業大学とマレーシア工科大学(Universiti Teknologi Malaysia)との関係をより一層深め、共同研究が進展することを願っています。粒子表面改質の研究成果を今後さまざまな形で応用できるよう研究開発に邁進する所存です。