令和7年11月2日（日）と3日（月）に、室蘭工業大学にて開催の令和７年度 電気・情報関係学会北海道支部連合大会における発表で、本学大学院情報電子工学系専攻電気電子工学コースの藤田優音さんが「若手優秀論文発表賞」を受賞しました。

本大会は、電気学会、電子情報通信学会、電気設備学会、映像情報メディア学会、照明学会の各北海道支部、およびIEEE Sapporo Sectionの6団体の共催により開催され、電気・情報技術の研究者・技術者が一堂に会して、幅広いトピックに関して議論する場となっています。

本賞は、発表内容が高いレベルにある優秀な講演を行なった学生を表彰するもので、高圧技術を用いた熱電材料の開発手法が高く評価されての受賞です。

受賞内容

藤田優音（大学院情報電子工学系専攻電気電子工学コース2年：関根研究室）

令和７年度 電気・情報関係学会北海道支部連合大会　若手優秀論文発表賞
「スクッテルダイト系熱電材料SnxCo4Sb12-yTeyの高圧合成と熱電特性」2025年11月2日 (共同研究者：関根ちひろ)

【参考URL】 https://www.ieice.org/hokkaido/shibukai2025/program/program.html

熱電材料は熱エネルギーと電気エネルギーを直接変換可能な材料であり、熱電材料を利用した熱電発電は、温度差を与えるだけで発電可能であるため、未利用の熱エネルギーを有効活用することができ、エネルギー問題解決への貢献が期待されています。次世代の熱電材料としてスクッテルダイト化合物CoSb3が注目されていますが、熱伝導率が高いという欠点があります。本研究では、CoSb3のSbサイトのTe置換とSn充填を同時に行った試料を高圧合成法によって作製することに成功し、熱伝導率が大きく低減することを見出しました。本研究で開発した手法は、スクッテルダイト系熱電材料の性能の向上に有効であることを示しており、今後の高性能熱電材料開発に貢献できるものと期待されます。

受賞コメント

この度は、令和7年度 電気・情報関係学会北海道支部連合大会 若手優秀論文発表賞という栄誉ある賞を賜り、誠に嬉しく思います。大変光栄に思うとともに、身の引き締まる思いです。本研究は、日頃よりご指導いただいている関根ちひろ教授をはじめ、共に議論を重ねてきた研究室のメンバー、ならびにこれまで研究室を支えてこられた卒業生の先輩方のご助力あっての成果であり、心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も研究活動に一層精進してまいります。