2023.06.30
石油学会第65年会優秀ポスター賞を本学学生が受賞しました
本学大学院環境創生工学系専攻物質化学コースの学生が、令和5年5月29〜30日にタワーホール船堀(東京)で開催された石油学会第65回年会における発表で「優秀ポスター賞」を受賞しました。石油学会はエネルギーだけでなく、化学原料としても重要な石油に関する産学官の研究者・技術者の集団です。
本賞は全74件の若手研究者を対象としたポスター発表の中から、優秀な発表を行った発表者7名を表彰の対象とし、贈呈されたものです。
受賞内容は、以下のとおりです。
市橋航(環境触媒化学研究室)「NaHZSM-5触媒によるLDPE接触分解反応」石油学会第65回年会、2023年5月29日(共同研究者:神田康晴)JPIJSポスターセッション 優秀ポスター賞
プラスチックは日常生活に欠かせないものとして大量に生産されていますが、そのリサイクルが課題となっています。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、廃プラスチックを化学原料へ転換するケミカルリサイクルが注目されています。本研究では、廃プラスチックから化学原料として有用な低級オレフィンを選択的に得る触媒の開発を行っています。酸性質を制御したゼオライトを触媒として用いて低密度ポリエチレン(LDPE)の分解反応を行い、触媒の酸性質と低級オレフィン収率の関係について明らかにしました。本研究により得られた成果は、廃プラスチックの化学原料化の実用化に際し、重要な知見になると考えています。なお、本発表の成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)グリーンイノベーション基金により、住友化学株式会社と共同研究を行ったものです。この場をお借りして関係者にお礼申し上げます。
<受賞コメント>この度は、石油学会第27回JPIJSポスターセッション優秀賞を頂き、誠に光栄に思います。大変光栄に思うと同時に、身の引き締まる思いです。環境への関心が高まる中、私自身、ケミカルリサイクルに関する研究を最先端で行えることは大変面白いと考えています。その反面、課題も多くあり、環境問題解決への道は非常に険しいと肌で感じております。今後は持続可能な社会の構築に拍車をかけられるように研究活動へ尽力して参ります。本研究を遂行するにあたり、ご指導いただきました本学の神田康晴先生, 名誉教授上道芳夫先生に深く感謝申し上げます。