2023.09.13
触媒学会北海道支部第61回オーロラセミナー Best research awardを本学学生が受賞しました
本学大学院環境創生工学系専攻物質化学コースの学生が、令和5年8月4日に北海道大学(札幌)で開催された触媒学会北海道支部第61回オーロラセミナーにおける発表で「Best research award (Energy Advance)」を受賞しました。触媒学会は化学反応を制御する重要な触媒の科学に関する産学官の研究者・技術者の集団です。
Best research awardは全24件のポスター発表の中から、優秀な発表を行った発表者3名を表彰の対象としています。また、受賞した3名には個別のRSC(Royal Society of Chemistry)の論文誌名を冠した賞が贈呈されています。
受賞内容は、以下のとおりです。
望月楓華(環境触媒化学研究室)「P修飾HZSM-5を用いたLDPEの低級オレフィン化」触媒学会北海道支部第61回オーロラセミナー、2023年8月4日(共同研究者:神田康晴)Best research award (Energy Advance)
プラスチックは日常生活に欠かせないものとして大量に生産されていますが、そのリサイクルが課題となっています。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、廃プラスチックを化学原料へ転換するケミカルリサイクルが注目されています。本研究では、廃プラスチックから化学原料として有用な低級オレフィンを選択的に得るゼオライト触媒の開発を行っています。リン修飾ゼオライト触媒を用いて低密度ポリエチレン(LDPE)の分解反応を行うことで、高い低級オレフィン収率が得られるリン修飾量を明らかにしました。本研究により得られた成果は、廃プラスチックの化学原料化の実用化に際し、重要な知見になると考えています。なお、本発表の成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)グリーンイノベーション基金により、住友化学株式会社と共同研究を行ったものです。この場をお借りして関係者にお礼申し上げます。
<受賞コメント>この度は第61回オーロラセミナー優秀ポスター賞を頂き、大変光栄に思います。これまでご指導、ご助言を頂きました神田先生、名誉教授上道先生そして共同研究を行っている住友化学株式会社の方々に、心より感謝申し上げます。今後もさらなるケミカルリサイクル技術の向上そして廃プラスチック問題の解決に向けて、研究に精進して参ります。