令和7年度大学概要
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 室蘭工業大学は、地域に根ざす理工系単科大学として、「北海道の課題解決は、日本の、更には世界の課題の解決につながる」と考えて、研究力の向上及び社会との共創推進のために必要な、教育改革・大学改革に取り組んでおります。 本学の理念は「創造的な科学技術で夢をかたちに」ですが、この理念のもとに、「真なる探究心から未来の価値づくりを。」を、キャッチコピーとして標榜しております。「価値づくり」の「価値」としては、工学的にはハードウェアだけではなくてソフトウェアも含む「もの」が、理学的には原理探求によって得られた「知見」が、それぞれの成果物として該当するかもしれません。また、「未来の」の部分には、直近から数十年後までの時間的な広がりと、地域・北海道から日本・世界までの空間的広がりを持った「未来」という意味を込めています。「真なる探究心」の「真なる」は、どんなささやかで興味本位なものであっても、最終的には「価値」へといつか繋がるような、本質的なものであってほしいという願いです。教育研究に携わる教職員の立場だけではなく、学生の立場からも将来への志として、このキャッチコピーが使われると良いなと思うとともに、本学は今後もずっと、社会に対して未来の「価値づくり」をする場でありたいと強く願っております。 平成31年に工学部から理工学部へと改組してスタートした学部カリキュラムにおいては、ICTやAIの本質を理解して使いこなし、ものづくり・価値づくりに貢献できる学生諸君を育てる、理工系大学ならではの理数教育と情報教育を推進しています。全学必修の手厚い情報教育を行うことで、令和3年度からは文部科学省の 「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」 の認定を得ています。また、大学院博士前期課程(MC)においても、情報系の共通の必修科目、そしてコースごとにその特徴を活かした情報科目の充実を目指したカリキュラム改革を行なっています。さらに令和6年4月からは、情報電子工学系専攻内に新たに「共創情報学コース」を開設しました。このコースは、「色々な専門分野と共に創る情報学」というコンセプトのとおり、情報学が異なる学問分野や専門領域を飛び越えて、様々な専門知識や方法論を組み合わせて昨今の複雑な問題に取り組み、新たなアイディアや解決策を生み出していく学生を育成するコースとして設計されています。そのため、入学者の多くは、必ずしも情報分野に限らない全ての理工学系諸分野学部卒業生であり、またMC修了後の就職先についてもその学生の学部時代の専門教育学修を活かす形で、産業界のすべての分野と想定しています。このように、いわば、「専門×情報」という分野融合型の高度な理工系人材の育成は、本学においては、学部、大学院カリキュラムを通じた、一貫した育成方針となっております。 本学では女子学生の獲得にも力を入れています。昨年度からは、総合型選抜入試に「女子枠」を導入しました。その結果、一般枠を含めた総合型選抜における女子学生の合格者は前年度比率1.7倍となり、15年ほど前まで約8%であった女子入学者の割合は約15%まで伸びてきています。今後もさらに本学の学修環境を多様化させ、より多くの社会で活躍できる女性技術者の輩出を目指します。 室蘭工業大学は、確かな研究力を持った本学の熱意あふれる教員たちが、科学や工学の面白さを学生諸君に専門家の立場から伝え、確実なoutcomeを身につけた学生を育ててまいります。これまで皆様から頂いた様々なご支援に対して改めて心より感謝の意を表すると共に、今後も本学の活動を注視して頂けますようにお願い申し上げます。学長MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 1真真なるなる探究心探究心からから未来未来のの価値価値づくりを。づくりを。学長あいさつ A Message from the President

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